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お役立ちコラムフレコンバッグ豆知識

フレコンバッグ豆知識-その1-

2023.1.20
更新:2023.3.29

> フレコンバッグとは
> フレコンバッグの歴史  
> フレコンバッグを使用するメリット
> フレコンバッグの部位名称(英語表記付)
> フレコンバッグの内袋について

フレコンバッグ豆知識-その2-は、こちらから。

フレコンバッグとは

フレコンバッグフレコンバッグとは、正式名称は「フレキシブルコンテナバッグ」で、ビッグバッグ、ジャンボバッグ、バルクバッグ、バルクサック、FIBC(Flexible Intermediate Bulk Containers)などと呼ばれる事があります。尚、「フレコン」は、株式会社ナショナルマリンプラスチックの登録商標です。

定義としましては、砂、肥料、飼料、樹脂ペレットやパウダーなど、乾燥していて流動性のある製品やバラ荷物、廃材などを保管、または輸送する為に、柔らかいクロスで製造された工業用の容器である事です。

最大の特徴は、1立方メートルのサイズで約1tの流動性のある製品を充填、保管、輸送できる事で、その利用性から「トンバッグ」と呼ばれる事もあります。

フレコンバッグの仕様により異なりますが、通常、製品が充填されたフレコンバッグは、パレットに載せられる、又は吊りベルトで吊り上げられてフォークリフトで運ぶことが可能な為、原料の製造工場では、たいへん重宝されています。

フレコンバッグ形状は、大きく分けて、円柱型の丸型と四角形の角型の2種類に分かれますが、フレコンバッグメーカーによっては、独自の形状を開発するケースもあり、使用状況に合わせてカスタムメイドされることもあります(詳細に関しては、弊社の「フレコンバッグ モデル一覧」でご確認ください)。

材質は、主にPP(ポリプロピレン)で、投入口や排出口にPE(ポリエチレン)が使用される場合もあります。

PPは、熱可塑性樹脂であり、軽量で軽く、柔軟性がある上、耐久性もあり、使用後に再生できると言う点で採用されています。通常、合成繊維で製織されたクロスにラミネート加工された原反が使用されますが、使用状況に合わせて原反の強度を変更する場合もあります(原反に関しては、弊社のコラム「原反・クロス・織機」をご参照ください)。

また、PPヤーンで製織された原反は、繊維が密に織り込まれている事もあり、何倍もの重量を保持できる事もPPが選ばれる理由です。

フレコンバッグの歴史

いろんな所から情報収集をしてみましたが、フレコンバッグがいつ、どこで、誰が最初に作ったのかは、定かではなく、1940年代以降に梱包資材として生産されており、その10~20年後、1950~1960年代にアメリカ、ヨーロッパ、日本のどこかで開発されたと言う情報をたくさん見つけました(所説あるようですが)。

当初は、ゴム製や合成繊維の袋にPVCをコーティングしたものだったので、現在流通しているランニングフレコンに似たものかと思われます。

1970年代に入ると、世界的な石油危機(オイルショック)の影響を受けて、産油国での拡張の為に建設ラッシュが起こり、ヨーロッパ各地から中東に向けて大量のセメントが輸送される際にフレコンバッグが使用されました。

当時は、まだアメリカでの需要はあまり高くありませんでしたが、1980年代に入るとアメリカの運輸省が危険物の取り扱いに関して、さまざまな適用除外規定を設けた事により、フレコンバッグは、化学、製薬、廃棄物処置などの分野で、より効率的で安全に作業する為に用いられるようになりました。

現在では、年間25億t以上の商品輸送や保管するのに使用されています。

フレコンバッグを使用するメリット

ランニングフレコン
ランニングフレコン
ワンウェイフレコン
ワンウェイフレコン
リサイクル性
フレコンバッグは、大きく分けて「ランニングフレコン」と「ワンウェイフレコン」の2種類に分類する事ができます。

前者の「ランニングフレコン」は、PE(ポリエチレン)やゴムなどを主な原料とした柔軟性の高い袋で、使用後は洗浄し、必要に応じて修理をして再度使用する事が可能です。

充填物の輸送後、折り畳んで返却できる事もあり、復路に運賃が掛からないので経済的と言う面もあります。

密性に優れているので、湿度を嫌う粉末などの充填物や倉庫での長期保存に適しています。

後者の「ワンウェイフレコン」は、その名の通り、使用回数は一度です。さまざまな素材で生産できるフレコンバッグですが、最も多く使われるのは、PP(ポリプロピレン)の合成繊維でできたクロスな事もあり、クロスフレコンと呼ばれる場合もあります。

主な原料としてPPが使用される為、充填物を排出した後は、リサイクルする事が可能です。
保管場所の最大化
倉庫業務では、保管スペースを最大限に有効利用し、効率よく面積を使用する必要があります。

段ボールなどの箱や個包装の袋にいれたまま保管する場合は、パレット積みにしてから保管される事が多いですが、段積みする事ができず、平置きせざる得ない為、より面積を必要とします。

又は、積み上げる場合は、ネスティングラックやパレットラックが必要になります。

その点、フレコンバッグの場合は、段積みに適したフレコンバッグもあるので、ネスティングラックを使用せずに横方向ではなく上方に積み上げて保管する事が可能です。
人件費と輸送費の節約
倉庫管理を効率的に行う為には、ある程度の人件費を必要としますが、荷役作業を行うために人員数を増やしてしまうと、生産性が低くなってしまいます。

人海戦術により小分けになっている袋を俵積みや井桁に積みなおして保管したり、輸送したりするよりも大容量のフレコンバッグに充填したものをフォークリフトで移動させることによって、1つの商品の扱いに費やす時間を減らせるので、結果的に人件費の削減に繋がります。

輸送費に関しても、フレコンバッグならパレット積みをしない状態でも、フォークリフトで吊り上げて移動させることができる為、何度も往復してトラックやコンテナに荷積みや荷降ろしをする必要はありません。

その上、パレット積みした際に荷物を固定するためのストレッチフィルムの使用も必要がないので、結果的にコストの削減に繋がります。

また、昨今、ニュースなどでよく耳にする「物流の2024年問題」を懸念した場合、荷揚げ、及び荷下ろしにかかる時間を削減する事が必須となります。
フレコンバッグを使用する事によって、大幅に時間を削減できるなら、作業員、及びドライバーの拘束時間を軽減する事にも繋がります。

ちなみに、精米工場における荷下ろし作業時間(トラック1台あたりの目安)は・・・

フレコンバッグの場合:30~60分(13袋をフォークで取扱い)
紙袋の場合:60~90分(400袋を手荷役でフォークに積替え)


なので、年間で考えると相当な時間になるので、この時間の差は非常に大きいです。

作業員の安全性
倉庫やサプライチェーンでの作業で重要な事は、作業員の安全性を守る事です。

作業員が継続的に手作業で重量物を移動させる場合、反復運動過多損傷(RSI)などを引き起こす危険性がある為、安全な機器などを使用する事が推奨されます。

それらの問題を解決する為には、10kgの商品を100回運んだり、パレットに積んだりするよりも、フレコンバッグに1,000kg充填し、フォークリフトなどで運んだ方が安全性を確保しながら、生産性の効率化も向上する事ができます。
多用途性
主にフレコンバッグは、樹脂ペレットや微粒子の粉末など流動的な製品を保管や輸送する際に使用されますが、形が定まらない固体、例えば廃材や鉱物などを入れて保管したり運んだりするなどの汎用性にも富んでいます。

その為、農業、化学品製造、建設業、製薬など、幅広い分野で使用されています。

その理由は、サイズや素材の柔軟性だけでなく、フレコンバッグの仕様をニーズに合ったものに変更して使用する事が一つの要因となっています。

例えば、通気性を重視した場合、原反のラミ加工を無くしたり、内容物の湿度を懸念する場合は、ラミ加工の方法を変えたり、衛生面を考慮するならば、内袋を付けることで外部からの汚染を防いだりするなど、用途に合わせて仕様を変えることも可能です。

また、原反のスペックや縫製方法を変更する事で、コストを削減する事も可能で、逆にラミ加工と内袋を掛け合わせるなど、スペックを追加して、充填物にベストなフレコンを作成する事もできます。

フレコンバッグの部位名称(英語表記付)

全体図(Whole image)

フレコンバッグ本体

①本体(Body)
②上部(Top)
③投入口(Filling spout)
④投入口縛りテープ(Filling spout tape)
⑤本体ベルト(Main belt)
⑥吊りベルト(Lifting belt)
⑦補強布(Reinforcement)
⑧ポケット(Pocket)
⑨ポケット吊りロープ(Pocket rope)
⑩下部、又は底(Bottom)
⑪排出口(Discharging spout)
⑫排出口縛りテープ(Discharging spout tape)

投入口(Filling spout)

フレコンバッグ投入口

①投入口カバー(Filling spout cover)
②投入口縛り紐(Filling spout rope)
③PEチューブ、又はホース(PE hose)

排出口(Discharging spout)

フレコンバッグ排出口

①排出口カバー(Discharging spout cover)
②排出口縛り紐(Discharging spout rope)
③PEチューブ、又はホース(PE hose)

フレコンバッグの内袋について

チューブ内袋

チューブ内袋(Tube liner)

その名の通り、筒状のフィルム内袋です。

縫製などはせず、投入口から排出口まで、そのまま入れただけなので、充填物によっては、排出時に抜け落ちてしまう可能性があります。

フレコンバッグの大きさによってサイズは異なりますが、大体直径がフレコンバッグの倍くらいの大きさで、長さは排出機によって異なりますが、投入口から排出口までの長さは1.5倍程度です。

B/S内袋

B/S内袋(Bottle shape liner)

名前の由来は、投入口からの形が瓶(ボトル)の形状によく似ているから。

チューブ内袋とは違い、上4カ所、又は上下8か所の角に袋と一緒に縫製されたテープで固定し、フレコンバッグ内部で吊られた状態で装着する事ができる為、抜け落ちてしまう心配がありません。

近年では、この内袋を装着しているフレコンバッグが最も多いです。

隔壁内袋

隔壁内袋(Inner liner with corner panels)

角部分に隔壁がついており、充填物が流れ込むことにより、内袋内部に4つの支柱を作る形になります。

その支柱がフレコンバッグを支える形になり、胴ぶくれを抑制し、フレコンバッグを四角形に保つ事ができます。

このタイプのフレコンバッグは、通常、バッフルバッグと呼ばれ、隔壁は内袋と同様のフィルムで作られる以外に、ネット状のものが装着される場合もあります(ネットバッフルバッグ)。

内袋の底部の加工方法は、切りっぱなしのタイプ以外に、ヒートシールと玉シールがございます。
ヒートシールや玉シール加工をした場合、何れも排出時、お客様にカットして頂く必要がありますが、密閉性に優れ、防湿性が高くなります。

大村商会のフレコンバッグに関する詳細は、こちらから。

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ホリコンシャッター:
排出口があるフレコンバッグ用

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使用済みフレコン圧縮機使用済みのフレコンを1枚のフレコンバッグに圧縮しながら詰め込む小型の圧縮機です。

1枚のフレコンバッグに最大20~30枚*のフレコンバッグを詰め込む事が可能なので、廃棄時のコストを削減できます。
*フレコンバッグのサイズによる

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