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お役立ちコラムフレコンバッグ豆知識

フレコンバッグ豆知識-その2-

2023.4.4

> フレコンバッグのあれこれ
 > 胴部分の縫製方向
 > 底カバーの種類
 > 安全係数
> フレコンバッグの種類
 >  一般フレコンバッグ
 > 静電気災害防止処理フレコンバッグ
 > 4タイプの内袋について
> フレコンバッグにまつわる様々な規定

フレコンバッグ豆知識-その1-は、こちらから。

フレコンバッグのあれこれ

胴部分の縫製方法

エンドレス原反縫製

エンドレス原反縫製フレコンサーキュラー織機(円形織機)で、筒状に製織された原反の事です。
胴部分に使用され、上部と底に別の原反を縫製する形になるので、丸型にも角型にもできます。
胴部分に継目がない特性を生かして、食品や微粒子などの充填物に使用される事が多いです。

4面縫製

4面縫製フレコン内部の構造によって、前・後ろ・左右側面の4面で胴部分を縫製し、上部と底部分を縫い付けたフレコンになります。
4つの角部分を縫製する事で、充填後の胴ぶくれを抑制できると言うメリットがあります。

エンドレス原反や平織りの織り動画、クロスに関するコラムはこちらから。

底カバーの種類

底カバーを使用する最大のメリットは、装着する事によって底部分の汚れを防ぎ、パレットなどに排出口が引っ掛かりにくくなる事です。

種類は、大きく分けて2種類あります。1つは、フレコンバッグ自体に1枚底を縫製し、縫製していない方をテープで結ぶもの。
もう1つは、底がすっぽり入る大きさの袋を被せたもの。

素材は、フレコンバッグと同じPPクロスで製作する場合とPEフィルムで生産する場合があり、PEフィルムで生産されたものは、通称「ハカマ」と呼ばれています。

フレコン用底カバー
底に直接縫製するタイプ
フレコン用底カバー
本体と同じPPクロスタイプ
フレコン用底カバー
PEフィルムのハカマタイプ

フレコンバッグ底の汚れに関する原因と対策は、別コラム「フレコンバッグ相談室」でも取り上げておりますので、合わせてご参照ください。

安全係数(SF:Safety factor)

フレコンバッグ安全係数試験フレコンバッグへ安全に充填できる量を安全係数と言い、その値を出す時に必要になるのが安全使用荷重(SWL:Safe Working Load)、単位はニュートン(N)です。

通常、安全係数、充填したフレコンバッグを吊り上げ装置などで、持ち上げたり、吊り上げたり、降ろしたりする事で、破損の恐れが無いかを数値で、破袋せず何倍まで可能かを値で表しています。

例えば、1t用(SWL=1,000kg)のフレコンバッグの安全係数が5:1だった場合は、5t以上保持すると言う事になります。

フレコンバッグの種類

一般フレコンバッグ

ランニングI形
何度も繰り返し使用できる様に設計され、修理する事も可能(修理時の母材強度と同等の引張強度を満足させるフレコンバッグ)。
ランニングJ形
耐候性、及び防水性に優れ、何度も繰り返し使用できる様に設計され、修理する事が可能(修理時の母材強度と同等の引張強度を満足させるフレコンバッグ)。
尚、J形には、1種「本体の材質はゴム、又はプラスチック引布で製造し、加工は接着、又は高周波溶着」、2種「材質はポリオレフィン系で製造し、加工は熱風融着」の2種類があります。
クロススタンダード形
充填、及び排出は、数回、又は1年を限度として使用できるフレコンバッグ。
修理したりできないが、取り外しができる内袋やベルト部分の交換は、修理とみなされない。
クロスシングル形
充填を一度しか行わない事を意図して設計した、いわゆるワンウェイ・フレコンバッグ。

※JISハンドブック参照。

静電気災害防止処理フレコンバッグ

タイプA(Type-A)
一般用フレコン。
静電気による問題対処が考慮されていない為、可燃性の充填物を輸送できない。
タイプB(Type-B)
帯電防止タイプ。
ブレークダウン電圧が6kV未満と低く、ブラシ放電の伝播を防ぐことができ、可燃性ガスや蒸気が存在せず、着火エネルギーが3mJを超える環境で使用できます。
しかし、限定的な保護しか提供しない為、静電気を放散するメカニズムは提供しません。

内袋を使用する場合は、L2内袋やL3内袋の使用が必須。
タイプC(Type-C)
導電性の特別な原反を使用して製造する事で、可燃性ガスや蒸気などが存在する環境で静電気による粉塵爆発を防ぎます。
静電気対策の為に床、作業着などの対策はもちろんの事、充填及び排出時は、安全を考慮して、人体を含む全ての導体に着火性放電を防ぐ接地(アース)が必要です。

内袋を使用する場合は、L1内袋やL2内袋の使用が必須。
タイプD(Type-D)
コロナ放電により帯電を防止するタイプ。

静電気を拡散する静電気散逸性の原反で製造され、静電気によるリスクを対処する為、着火エネルギーが0.14mJ以上の可燃性ガスや蒸気などが存在する環境でも充填物を安全に輸送する事ができます。
尚、着火性放電を防ぐ為のフレコンには接地(アース)は不要ですが、非接地導体が帯電して着火する可能性があるので、人体を含む全ての導体に接地(アース)が必要となります。

内袋を使用する場合は、L2内袋の使用が必須。

4タイプの内袋について

PE内袋 一般的なフィルム内袋
Type-A用
L1内袋 表面抵抗率:1.0×107Ω未満
Type-C用
L2内袋 表面抵抗率:1.0×109Ω~1.0×1012Ω
Type-B・Type-C・Type-D用
L3内袋 表面抵抗率:1.0×1012Ω以上
Type-B用
※内袋の絶縁破壊電圧は、4kV以下の場合のみ。

フレコンバッグにまつわる様々な規格など

UNマーク

UN規格

UN規格とは、国連(United Nations)の国際的な基準で、危険物の輸送が可能であると言う事を証明する規格の事です。

主に危険物を船で輸送、または保管をする際、容器、及び包装(IBC容器)は、国土交通省が定めた基準に適合しているかを検査した上、合格した場合は「UNマーク」を表示する必要があります。
また、危険有害性区分に応じて、GHSの絵表示(ピクトグラム)が印刷される場合もあります。

危険物をフレコンバッグで輸送する可能性がある場合は、適合したフレコンバッグでの輸送が必須となっております。

JISハンドブック

JIS 1651(非危険物用フレキシブルコンテナ)

適用範囲が粉体、又は粒子状の非危険物の輸送用のフレコンバッグに対して、ISO 21898を基にして日本国内での状況に合わせ定められたJIS規格です。
規格適合するには、以下の試験が必須となります。

耐候性試験
太陽光によって材質が劣化する事を検証する為に太陽光に似た人口光源の照射を用い、試料の破断荷重、及び伸度を確認する。
繰返し頂部つり上げ試験
充填されたフレコンバッグをフックで吊り上げ試験を行い、充填物の漏れ、フックの破損、内袋の飛び出しなどの有無を確認する。
試験終了後、フレコンバッグが破損するまで負荷を掛けて更にデータを取る場合もある。
圧縮試験及び積重ね試験
JIS Z 0212規定の装置などで荷重負荷を掛けて試験を行い、充填物の漏れ、フレコンバッグ本体、及び底面の劣化の有無などを確認。
引張強さ試験
引張試験機にて、試験片の縦と横の破断時の荷重を測定する。
引裂強さ試験
引張試験機にて、切込みを入れた試験片の縦と横を測定する。
縦糸に切り込みを入れた場合は、縦の値、横糸の場合は、横の値とする。
つり部の引張強さ試験
吊りベルトの場合、引張試験機にて引張り破断荷重を測定する。
吊りロープの場合、材質によりJIS L 2703、JIS L 2704など、JISに規定する試験機にて、試験を行う。
単位は、ニュートン(N)。
耐熱性試験
2枚の試験片を表面同士に重ね、恒温槽に入れた後、2枚の試験片を引き剥がし、表面の粘着、亀裂、損傷、ラミの剥離などの有無を各々の試験片で確認する。
耐寒性試験
恒温槽に入れた後、試験片が密着するように二つ折りにし、表面の損傷、ひび割れなどの有無を確認する。
耐もみ性試験
JIS L 1096に規定するスコット形試験機を用いて、表面の粘着、亀裂、破損、ひび割れ、ラミの剥離などの有無を確認する。
寸法の測定
丸型の場合、平らな状態に置いて測定、又はクロスの伸びがほとんどない状態に膨らませて、直径を2カ所測定し、平均値を出す。或いは、本体を周長方向に折り畳み、半径を2カ所測定し、平均値×2で計算して円周率を除して直径を出しても良い。

角型の場合も、平らな状態に置いて測定、又はクロスの伸びがほとんどない状態に膨らませて、隣り合う面の上辺、及び下辺それぞれ測定し、平均値を出す。

高さに関しては、平らな状態に置いて測定、又はクロスの伸びがほとんどない状態に膨らませて、本体上面と下面の距離に相対する2カ所を測定し、平均値を出す。
落下衝撃試験
0.8Mの高さからフレコンバッグを堅く平滑な水平面に1回底面を落下させ、充填物の漏れやフレコンバッグ本体の破損の有無を確認する。

※JISハンドブック参照。

大村商会のフレコンバッグに関する詳細は、こちらから。

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